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A-2 そもそも「株式」とは何か

A-2-1 「株式」の定義
株式投資の「株式」や「会社」を理解するために司法試験予備校の「会社法」講座を受講してみたことがありました。単純に言うと、株式は株式会社の「社員」になる権利ということでした。正確な定義は

株式とは ⇒ 「細分化された均一な割合的単位の形を取る株式会社の社員たる地位」

と言います。「社員」になるということは、就職したら自動的にそこの会社の株主になるということ?と思うかもしれませんが、法律上「社員」とは「出資者」のことを言います()。会社に「出資」をすると「株主」になれ、「出資証券(有価証券)」がもらえると言うことになります。昔は株主になると、その「株主」であることの証明として「株券」というものが発行されましたが2009年1月5日から「社債、株式等の振替に関する法律」により株券電子化が行われ株券は発行されなくなりました。そして、「細分化された均一な割合的単位の形」というのは出資額に応じて株式会社を部分的な所有者になるということです。


    A-2-2 取引所の種類

日本全国に証券取引所というのは
三大取引所(3市場)
  東京証券取引所(東証) 一部・二部・マザーズ
  大阪証券取引所(大証) 一部・二部・JASDAQ
  名古屋証券取引所(名証) 一部・二部・セントレックス

地方取引所(2市場)
  福岡証券取引所(福証)
  札幌証券取引所(札証)
がありますが、東京証券取引所が90%近くを占めている日本の代表的な取引所です。上場企業は約2500社ほどです。日本国内には株式会社が100万社以上ありますので、上場しているというのは選びに選ばれた会社ということも出来ます。もちろん上場してないからよくない会社というわけでもなく例えばサントリーのような会社は上場していなかったりします。大塚製薬やカルビーなども非上場会社でしたが最近上場しました。

東京証券取引所(東証)の中にも一部・二部・マザーズなどがあり、それぞれ審査基準がありその基準によって別れています。メインは一部ですがマザーズなども有名で新興企業などが上場しています。上場基準が緩いので、中長期的にはリスクがある企業もあります。値動きも荒い()のが特徴です。業績があまりよくないにもかかわらず期待だけで買われるものもあるので流動性()はありますが非常に割高な銘柄が多いのも特徴です。

大阪証券取引所デリバティブなどに力を入れていてこちらも有名です。証券会社によっては東証と大証以外は取り扱ってないところもあったりします。大阪証券取引所のJASDAQ市場は成長・ベンチャー企業(新興企業)向けの市場です。個人的な印象ですが、東証のマザーズは割高なものが多いですが、JASDAQは意外と割安な銘柄が多いような感じがします。ただ、流動性が低いものも多いです。

ちなみに、2011年11月22日東京証券取引所と大阪証券取引所は経営統合に関する合意について公表しました。


A-2-3 「株式」の買い方
実際に会社の株主になるためにはどうすればいいかというと、一般的にまず証券会社の口座を作ります。そうすると証券会社を通じて東京証券取引所などで上場されている会社の株式を買う事が出来るようになります。一般の個人投資家は
個人投資家⇒証券会社⇒東京証券取引所
というように証券会社を通じて会社の株式を買うことでその株式会社の株主となる事が出来ます。 証券取引所というのは単に株式を売買するところという意味合いだけではなく、企業がその証券取引所で新株を発行することにより資金を調達したりする場所であると同時に、価格形成の場でもあります。1株いくらという価格が取引によって決まることによりその会社の時価総額というものが分かります。


A-2-4 「会社」の種類
「会社」には、株式会社・合名会社・合同会社・合資会社という4種類がありますが(会社法2条1号)、その中で最も一般的で数が多いのが「株式会社」ということです。日本国内には株式会社が100万社以上ありますので、上場会社というのはほんの一部の会社に過ぎません。


A-2-5 株式会社に出資することの意味
会社に出資をすることで株式会社の株主になるということは、その株式会社の出資比率に応じて会社を部分的に保有するということになります。会社を部分的に保有するという点は非常に大事です。短期売買()との大きな違いとなります。株式の短期売買の場合は会社の将来性、会社に出資する、会社を保有するという観念がありません。短期売買が注目するのは値動きだけです。その値動きで利ざやを稼ぐというのが短期売買の特徴です。したがって、短期売買における株式の購入は、短期間で売却するので偶然権利確定日()をまたがない限り株主名簿に名前が載ることもないので配当などの権利が与えられる株式会社の株主になることとは別物ということになります。株式会社に出資することで株主となる事が出来ますが、後述しますが株主になると株主総会に出席して議決権の行使・株価の上昇(もちろん下落もある)・配当・会社解散のときの残余財産の分配・株主優待などの特典があります。 会社法105条にはこのように規定されています。
第百五条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一  剰余金の配当を受ける権利
二  残余財産の分配を受ける権利
三  株主総会における議決権
2  株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。


A-2-6 株式会社側の利点
「会社」には4種類あると書きましたが株式会社側にとって株式を発行する利点は何でしょうか。それは株式を発行して集めるお金は返さなくていいお金だということです。自己資本ともいいます。もし会社が銀行からお金を借りれば利子をつけて返さなくてはいけません。これを負債または他人資本といいます。銀行から借りたお金は銀行から返せといわれたら企業は返さなくてはいけないので、もし資金繰りが厳しい時に返せといわれると大変です。また、銀行はリスクある事業にはお金を貸してはくれません。一方株主から出資してもらったお金は誰にも返さなくていいお金なので企業にとって非常に都合がよく、株式で集めたお金ならばリスクある事業にお金を使うことも出来ます。このように企業にとって株式発行による資金調達はとても重要な役目を果たしています。

「株式投資」=「ギャンブル」というときはこれらの点がまった考慮されてないか混乱されているので誤解を生むことになります。株式会社というシステムは資本主義の発展にとって不可欠であり、投資家はリスクある事業に資金を提供する重要な役目を果たしているのです。
   



まとめ

・株式とは「細分化された均一な割合的単位の形を取る株式会社の社員たる地位」
・会社に出資すると株主になれる
・株主になると出資証券がもらえたが今は電子化された
・株式会社の株主になるということは、その株式会社の出資者となり会社を部分的に保有すること


用語解説

※法律上の「社員」
法律上「社員」は「出資者」のことを言います。一般的な会社の社員と呼ばれる人々は、法律用語としては「従業員」ということになります。
※値動きが荒いとは
一日の価格の値幅が東証一部などと比べると大きいことをいいます。それだけ短期売買の人が買ったり売ったりしているわけですが、1日に5%も10%も動くような銘柄もあります。


※流動性とは
株式の売り買いが多いか少ないかを表しています。流動性が高いというと、売り買いしている人が多くて換金性があるということでもあります。流動性が低いというのはなかなか売り買いしている人が少なくて換金性が低いということでもあります。後述しますが流動性が低い銘柄はリスクが高いといわれますが割安株投資の場合はチャンスである場合もあります。


※短期売買とは
会社の将来性、会社に出資する、会社を保有するという観念がなく、値動きをとらえて利ざやを稼ぐ方法です。これといった期間は決まっていませんが、機関投資家が行うアルゴリズム売買と呼ばれる1秒間に数百回〜数千回の発注を行うミリ単位の超短期売買や、個人投資家が行う数分〜数週間などの短期売買があります。数円単位の値幅を狙うものから数週間で数%〜数十%の値幅を狙うものまで様々な手法があります。


※権利確定日とは
株式を購入すると一応株主になれますが、購入した瞬間に議決権の行使・配当・株主優待などがもらえる株主になるわけではなく、企業それぞれが設定している権利確定日(年2回の企業が多い)に株式を保有することにより株主名簿に名前が載りそこで始めて株主となる事が出来る。株主になると議決権を行使したり、配当がもらえたり株主優待がもらえる権利が与えられる。権利確定日の後に「権利落ち日」といってその日に買っても株主としての権利を取れない日がある。通常「権利落ち日」には、配当や株主優待の価格分株価が下落する。


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