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A-7 株式投資はゼロサムゲームなのか
A-7-1 短期売買はゼロサムゲーム
よく株式投資はゼロサムゲームであるといわれます。はたして正しいのでしょうか。ゼロサムゲームとは全員の利得の総和が常にゼロになることをいいます。つまり誰かが100万円儲けると、他の誰かが100万円損をしていると言うことです。 確かに短期売買においては企業業績や経済動向とは無関係に短期間の間の値幅で利ざやを稼ぐ行為なので、経済のパイが拡大しているわけではない状況で儲けるということは誰かがその分損をしていると言うことです。したがって資金の奪い合いになるので短期売買はゼロサムゲームです。


A-7-2 人口増加による経済のパイの拡大
しかし中長期的な視点から見ると、株式投資がゼロサムゲームというのは真実ではありません。世界の経済は人口増加、新しい技術の創出、付加価値の増加などで需要は増加し経済のパイは拡大しています。需要増加の源泉となる人口は現在も増加し続けています。統計局(2010年まで)のデータからExcelでグラフを作成してみるとこうなります。

■世界の人口(地域別)
世界の人口

青いラインは日本の人口です。日本の人口は減少傾向にあります。しかし、世界の人口は増加傾向にある事が分かります。

■世界の人口2 先進国・発展途上国
世界の人口2
世界人口(統計局のデータより)
2000 61億1536万人
2010 69億0868万人
2020 76億7483万人
2030 83億0889万人
2040 88億0119万人
2050 91億4998万人

世界の人口は2050年までみても増加傾向にあります。


■中国・インド
中国・インド人口
中国               インド
2000年 12億6695万人  2000年 10億4259万人
2010年 13億5414万人  2010年 12億1446万人
2020年 14億3115万人  2020年 13億6722万人
2030年 14億6246万人  2030年 14億8459万人
2040年 14億5505万人  2040年 15億6476万人
2050年 14億1704万人  2050年 16億1380万人
特に中国とインドの人口増加はこれからも続きます。(ただし中国は高齢化の問題があります)

■アメリカ
アメリカ
2000年 2億8784万人
2010年 3億1764万人
2020年 3億4615万人
2030年 3億6998万人
2040年 3億8890万人
2050年 4億0393万人
先進国のアメリカも人口は増えています。2007年の不動産バブル崩壊まで世界経済を引っ張ってきましたが、人口は増加していて、まだまだ需要は拡大できる可能性があります。

■ブラジル
ブラジル
2000年 1億7417万人
2010年 1億9542万人
2020年 2億0905万人
2030年 2億1714万人
2040年 2億2014万人
2050年 2億1851万人
2014年ワールドカップ、2016年オリンピックと今注目されているブラジルも人口増加は続きます。

■アジア
アジア
2000年 36億9800万人
2010年 41億6700万人
2015年 43億9100万人
2020年 45億9600万人
2025年 47億7300万人
2030年 49億1700万人
2035年 50億3200万人
2040年 51億2500万人
2045年 51億9300万人
2050年 52億3100万人
いまや世界経済を牽引するアジアの人口はまだ増えます。


A-7-3 眠る巨大な市場
2007年までのバブルはアメリカ経済が世界を引っ張る形でした。土地価格が恒常的に上昇していったことに加え、ブッシュ政権の減税や低所得者でも家が持てるような政策(サブプライムローン)の推進により、値上がりする土地価格を背景に低所得者の人でもローンの借り換えなどで資金を生み出して過剰な消費をおこなって経済を引っ張っていきました。2007年頃から土地価格が下落し始め、不動産価格が上昇することを前提に借金を重ねてきた低所得者がお金を返せない状態が出始め、そこで始めてサブプライムローンが表面化し、バブルが崩壊。2008年9月のリーマンブラザーズ破綻によるリーマンショック後経済は地に落ちましたが、よく考えると中国などの経済発展も当然ありましたが2010年3億1764万人近くのアメリカ人が世界経済を引っ張っていたわけです。

ところがこれからの時代はアジアの時代といわれて、アジアが世界経済を引っ張っていく時代に入りつつあります。アジアの人口はアメリカとは比べ物にならないほど多いのです。なんと、アジア全体の人口は2010年時点で41億6700万人もいるのです。もちろんこれらの人々すべてが消費をたくさん行える中間所得者層ではありません。

しかし、現在BOP(bottom of the pyramid)ビジネスが徐々に起こりつつあるように、発展途上国の低所得者層向けにビジネスが展開されつつあります。BOP市場規模が約5兆ドルとも言われます。
高所得者層(2万ドル超)
中所得者層(3000〜2万ドル)
BOP層(3000ドル以下)
このように、まだ潜在的な巨大な市場が眠っているのです。個人的にはこれから先20〜30年が資本主義がもっとも成長をする時期なのではないかと思っています。2010年現在中国に13億5414万人、インドに12億1446万人、東南アジアに5億人、この3つだけで約30億人います。単純計算でもアメリカの10倍です。アジア全体では2010年現在41億6700万人もいます。しかも現在は中南米のブラジルが経済発展してきていて、中南米に約4億人います。それからロシアが1億4000万人です。さらにアフリカ大陸には潜在的な経済発展と人口増(2010年10億人⇒2050年20億人)がまだ眠っている状態です。

また最近注目しているのは2011年からフェイスブックなどのSNSの広がりにより中東付近で、各地で独裁国家が崩壊し民主化が起こっていることです。独裁国家が崩壊することで既得権が崩壊し、市民が貧困から脱する事が出来るようになりいずれ中間所得者層になるとすれば資本主義の定着と共に市場は拡大する可能性があります。
2010年現在
中国 ⇒ 13億5414万人
インド ⇒ 12億1446万人
東南アジア ⇒ 5億人
ロシア ⇒ 1億4000万人
アメリカ ⇒ 3億1764万人
中南米 ⇒ 約4億人

アジア全体 ⇒ 41億6700万人
アフリカ大陸 ⇒ 2010年10億人⇒2050年20億人
もちろん多くの潜在需要が出てくるまでには、貧困問題の克服医療問題紛争問題など現在も解決できていない多岐にわたる問題を解決していかなければなりません。また、人口増加による天然資源枯渇の問題食料問題感染症問題など新たに起こる問題はあります。

しかし、人口が増加するということは中間所得者層も増える可能性があるということです。この中間所得者層が増えることでお金を使える人が増えるのですから、需要も増加するので、資本主義市場である限り今のところ経済は拡大しています。経済が拡大するということは、様々な製品やサービスを世界規模で提供する企業は拡大をしていきます。日本企業も行き残っていくと思われます。(もちろん人口減少・超高齢化の日本で純粋に内需だけの企業は縮小していくかもしれません)

したがって個々の会社の株式価格は上昇したり下落したりはしますが、世界経済全体の会社の規模はまだ拡大余地はあるということです。中長期的な視点から見ると会社の規模が増加するということは会社の利益も増加していくので時価総額も増加します。したがって、中長期的な視点での株式投資がゼロサムゲームということはないのです。


まとめ

・短期売買(投機)はゼロサムゲーム

・需要はまだ拡大する余地がある

・そうなれば経済のパイは拡大する

・したがって、中長期視点で見るとゼロサムゲームではない


用語解説



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