賢明なる(バリュー×グロース×フォーカス)株式中長期複利資産運用 > 15歳からの株式投資 目次 > 入門 四季報の読み方

2014.10.25 Last Update!
『年30%複利運用を目指す「入門」会社四季報の読み方』


■目次
はじめに
四季報について
会社四季報は買うべきか
会社四季報の使い方
チャート
業績予想
銘柄選択の前に運用方針を考えよう
自分の得意な業種を選びましょう
東証の業種分類
業種を選ぶポイント
市場縮小でも株価は下落するとは限らない
会社四季報項目別チェックポイント
四季報の見方
四季報のチェックポイントもくじ
業績欄
  • 業績欄
    • 業績こそ変革が正しい事の証明
    • 業績の用語とその意味
    • 『1株あたり利益』に注目
    • 『一株当たりの内在価値』に注目
    • 具体例
    • 特別利益による1株利益のかさ上げに注意
株主欄
役員欄
  • 『株主欄』+『役員欄』
    • 『社長』または『会長』が『大株主(筆頭株主)』に注目
    • 「経営者が自分自身で株式を買い増ししている」ような企業は有望
    • 経営者が高値で株式を売り抜けているような企業は要注意
    • 役員の移動に注意
    • 中国政府系ファンドに注目
    • 投資ファンドには注意
  • 『株主欄』+『持ち株比率』
    • 外国人持ち株比率
  • 『株主欄』の『浮動株』×『時価総額』×『発行済株式数』
    • (業績が良いことが前提)
      『時価総額』×『発行済株式数』×『株主欄の浮動株』
    • 具体例
財務欄
  • 『財務欄』+『有利子負債』
    • 有利子負債
    • 危ない会社を見分けるには
    • 流動比率
  • 『財務欄』+『ROE・ROA』
    • ROE
    • ROA
    • 見方
    • 具体例
  • 『財務欄』『株主持分比率』
  • 『財務欄』『利益剰余金』
配当欄
  • 『配当欄』
  • 『配当欄』+『一株当たり純資産(BPS)』
社名・事業内容
本社住所欄
  • 従業員数
  • 業種別時価総額順位
社名欄 作成中
記事欄 作成中
資本異動・株価欄 作成中
経営者 作成中

はじめに

今回はツイッターに書いた文章を下に加筆修正して作りました。
私は、毎年30%以上で複利運用をしていますが(14年追記:幸いなことに2014年現在今まで一度も下回ったことはありません)、個別銘柄を選択する上でとても役に立っているツールがこの『会社四季報』です。
このWebでは、投資初学者向け四季報を見るチェックポイントを書いてみたいと思います。
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四季報について

会社四季報』は東洋経済社から年に4回発売される「ビジネス、投資、就職、およそ日本の会社を知るには欠かせない情報ハンドブック(東洋経済より)」です。創刊は1936年と歴史は古く、全上場企業ののデータや業績が網羅されています。
同様の本に日本経済新聞が出している『日経会社情報』がありますが、今でも国内で圧倒的シェアを誇っているのが会社四季報です。
会社四季報』は『投資』を行う人なら必需品といえるほどで、この本の発売翌日に株価が動いたりするほど影響力があります。
2012年現在、近頃短期間で数倍〜数十倍になる銘柄を言い当てて話題になったミハイルジョウダン氏の銘柄も、私が毎年30%以上の運用利回りを出す銘柄もこの『会社四季報』の中から発掘される事が多いです。・・・まあ、全上場企業のデータが載っているわけですからある意味当たり前の話ですが(笑)この中に数倍〜数十倍になる銘柄があるわけです。
いまだ誰からもスルーされ放置されている『割安・増収増益・成長・銘柄』を探し出しましょう。


会社四季報は買うべきか

会社四季報は証券会社でオンラインで見られるところもありますが、買った方がいいと思います。なぜかと言うと、証券会社の四季報は新しいものが出ると過去のものは見られなくなるので、過去のデータを振り返ることができません。しかし、四季報を買っておくと過去のデータを振り返ることができます。

過去のデータはどのように役立つのかというと、株価が上昇した後から、数年前の四季報を振り返ると「ここに株価上昇の原因が隠れていたか!」と言うところが目に付くことがあるからです。後から振り返って四季報を読んで見るという事を繰り返していくと、徐々に株価が大きく上昇して行く原因となるものを見分ける目が身につく様になって行きます。一方で、株価が何十年にもわたって下落していく銘柄の特徴もわかるようになります。これは投資力を鍛えるという意味で結構大きな力となります。

また、紙の四季報には

『会社四季報通常版』
『会社四季報(ワイド版)』

の2種類があります。私の場合は、紙の会社四季報(ワイド版)を毎回買います。通常の四季報の縦横1.5倍くらいの大きさがあります。個人的に通常版はかなり字が細かく読みにくいのでワイド版のほうが良いと思います。そして結構書き込みします。場所は取りますけれど・・・

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会社四季報の使い方

チャート
会社四季報は1ページ目からめくっていっても良いですが、基本は興味のある業種から読んで行きます。現在の株価がどの水準かを知るために同時に証券会社のチャートを表示するとよいでしょう。四季報にもチャートは書いてありますが、発売される時期と少しタイムラグがありますし、四季報発売直前に株価が大きく動いていることもあります。

四季報に掲載されているチャートは3年分くらいなので、証券会社のチャートの方で長期的推移を確認します。そして同時並行で見て行きます。

例えば、楽天証券のマーケットスピードを使っている人は、『マイページ』機能を使うと便利です。四季報と市況情報とチャート等を同時に表示することができます。これを使うと便利です。



私の場合は、紙の四季報を開きながら、証券会社のチャートを同時に開いてみていきます。気になった部分(チェックポイントは後ほど解説します)は四季報を赤ペンで丸をつけたり書き込んだりしながら探していきます。

ちなみに、チャートはあくまで現在どのくらいの水準なのかを見るだけであって、テクニカル的にどうであるとか、チャートで売り買いを決めることはありません。


業績予想
会社四季報のに掲載されている会社四季報業績予想自体は当たらないこともあります。四季報は一社ごとに記者がついてしっかり取材をして書いている様ですが、それでも外すこともあります。リーマンショック後の予想などは外すどころから全く異なる結果となりました。世界的な大きな経済の変化があると四季報の予想はあまり当たらなくなります。過信はしないようにしましょう。しかし、無駄と言う事ではありません。
(14年追記)ちなみに、現在の私はこの会社四季報予想は全く信用しなくなりました(笑)理由は以下です。
・ 業績予想が外れることはよくある
・ そもそも四季報側の業績予想が当たるなら会社四季報の中の人は投資で成功しているはず
・ 会社四季報業績予想がでた次の四半期から会社発表で大幅に業績がずれることがよくある
ということで、会社四季報の業績予想というのはあくまで参考程度に見ておくのが良いでしょう。
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銘柄選択の前に運用方針を考えよう

個別銘柄に投資をする場合は、年齢やリスクの取れる度合いが人によって異なるので、どういう目的かにより選ぶ銘柄が異なります。銘柄選択の前に運用方針を考えましょう。

例えば、全くリスクを取りたくなく、資産は1円も減らしたくないと言う人は、株式投資はすべきではなく、国債か銀行預金になります。ちなみに、銀行預金の場合インフレには負けて実質資産は目減りします。

現在定年を迎え、すでにある資産をできるだけ減らさないで安定した配当(インカムゲイン)を目的に投資をしたい人ならば配当の安定した時価総額の大きな(数千億〜数兆円)成熟した大企業を選ぶことになるかもしれません。ただ、成熟企業はいずれ衰退期に入ると株価は下落していくので注意は必要です。出来れば数年に一度の何とかショックと言われるような株価大暴落をするときにこのような安定株式を買うとよいでしょう。

働き盛りの40代くらいで、元本の目減りをある程度収入で補え、できるだけ高配当(インカムゲイン)を貰いたいと考えている人は、REIT(不動産投資信託)5〜10%医薬品等は4〜5%を選ぶかもしれません。通常株式は配当利回りが1〜3%くらいです。

まだ年齢的に若くて、株式投資に仮に失敗しても将来の収入で取り戻せるという、少々リスクを取っても資産構築をしたいと考えているなら将来の株価上昇(キャピタルゲイン)を目的とした新興企業や中小企業の成長銘柄に投資をすることになるかもしれません。

リスクをできるだけ減らし資産構築をしたいというウォーレン・バフェットのような賢明なる投資家タイプは割安銘柄・割安中小企業成長銘柄成長が見込める超優良企業に投資をすることになるかもしれません。

例外として、ギャンブラーは仕手株・テーマ株のようなものに手を出すかもしれません。私は全くオススメはできませんが、自己責任でやるという人はこういう選択肢もあるかもしれません。

このように、人それぞれ、年齢も取れるリスクも異なるので、自分はどういう方向で行きたいのかをまずは決めましょう。例えば、この様に分類できるかもしれません。
投資スタンス 投資対象 投資スタイル
できるだけリスクは取りたくない、資産は1円も減らしたくない
(高齢の方・超安全志向でリスクを避けて生きていきたい方)
国債、銀行預金 インカムゲイン中心
すでにある資産をできる限り減らさないで安定した配当金目的 安定配当の時価総額の大きな成熟した大企業
(但し、できれば数年に1回の株価暴落時を狙う)
インカムゲイン中心
できるだけ高配当金を貰いたい REIT(不動産投資信託)5〜10%・医薬品等4〜5% インカムゲイン中心
積極的にリスクを取り資産構築をしたい 新興企業・中小企業の成長銘柄 インカムゲイン+キャピタルゲイン
リスクをできるだけ減らしつつ、資産構築をしたい 割安銘柄・割安中小企業成長銘柄
超優良企業を適正な値段で買う
※できれば数年に1回の株価暴落時に
インカムゲイン+キャピタルゲイン
(例外)ギャンブラー 仕手株・テーマ株 キャピタルゲインのみ

もしあなたがまだ年齢的に若いのであれば、仮に投資に失敗しても働いてお金を稼いで取り戻すことはできます。そういう場合は成熟し切った大企業を選ぶより、中小企業の割安成長銘柄の方がパフォーマンスは良いです。中小企業の割安成長銘柄こそ、数年で数百%の株価上昇をする銘柄が隠れています。

もちろん中小企業は大企業に比べて環境により破綻するリスクも高くなったりするのでリスクがあることは忘れないでください。(出来るだけ破綻リスクを回避する方法は後々書いていきます。)

比較的若い方で、私がおすすめするのは下から2番めの割安銘柄・割安中小企業成長銘柄、超優良企業を適正な値段で買うです。これで年間30%の複利運用は可能だと思います。
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自分の得意な業種を選びましょう

東証の業種分類
運用方針を決めたら、次に自分の得意な業種を選びましょう。

東証の分類を見てみると様々な業種があります。

水産・農林業 水産・農林業
鉱業 鉱業
建設業 建設業
製造業 食料品 繊維製品  パルプ・紙 化学
医薬品 石油・石炭製品  ゴム製品 ガラス・土石製品
鉄鋼 非鉄金属  金属製品 機械
電気機器 輸送用機器  精密機器 その他製品
電気・ガス業 電気・ガス業
運輸・情報通信業 陸運業  海運業  空運業  倉庫・運輸関連業  
情報・通信業
商業 卸売業 小売業
金融・保険業 銀行業  証券、商品先物取引業  保険業 その他金融業  
不動産業 不動産業
サービス業 サービス業
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業種を選ぶポイント

業種を選ぶには、@ご自身の豊富な知識や経験が活かせながら、A自分が勤める業種とは別の業種を選ぶ事がポイントです。

出来るだけ自分の得意な分野が良いでしょう。ご自身の知識経験が豊富な分野が個別銘柄を見極める上でも役に立ちます。

ただ、自分が勤める業種と全く同じ業種の株式を買ってしまうとリスク分散の点からあまり好ましくないかもしれません。自分の業種が不況になると、業績が低迷し、お給料の減少とともに、買っている株式も不況のあおりを受けて株価低迷して資産が目減りしてしまうかもしれないからです。

例えば、不動産業に勤めていながら株式も不動産業を選んでしまうと、好景気で給料が増えて株価も上昇しているときは良いですが、不況で会社が倒産の危機にあるのに、株価も大暴落して破綻可能性が出てきたりするとふんだり蹴ったり状態になります。



また、ご自身が勤めている会社が上場している場合、その株式(自社株)を買うのは避けたほうが良いでしょう。不要なインサイダーの疑いを持たれても困りますし、なにより会社が傾いてリストラや倒産の危機に陥った時に株価も一緒に大暴落し紙くずになってしまっては元も子もありません。

例えば、1997年山一證券に勤めつつ山一證券株式を買っていた人はリストラにあった上に株式は紙くず(1998年3月27日上場廃止)になりました。また、2010年1月に会社更生法を申請し破綻した日本航空(JAL)に勤めながら、退職金も当然JALで、しかも給料でJAL株を買っていた人もいたそうです。こういう場合はダブルパンチどころか、人生設計が大きく狂うことになります。



ということで、できれば、@ご自身の豊富な知識や経験が活かせながら、A自分が勤める業種とは別の業種を選ぶとよいでしょう。

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市場縮小でも株価は下落するとは限らない
また、成長する銘柄はどこに眠っているかわかりません。一見すると市場が縮小している産業であっても株価は下落するとは限りません。いくつか例を上げてみます。



まず、建設業界などは小泉政権後公共工事が削減され、2005年には日本の人口が減少しはじめ2006〜2007年には米国で不動産バブルが弾け2009年には政権交代で民主党は「コンクリートから人へ」のマニフェストを掲げ、建設業界の先行きは暗いものでした。

ところが、先行きが暗いと思われた建設業界でしたが、たくましく成長する企業はありました。檜屋ホールディングス(1413)などは08年修正株価で61円だったものが、11年末には1200円代まで約20倍に上昇しました。こういう企業も中にはあるわけです。


これはけして仕手化したから株価が高騰したのではなく、業績向上で株価が上昇しました。業績向上という裏付けがあるわけです。業種によっても、成長している企業の株価というのは上昇するのです。


もう1つの例としては、タバコ産業も、一見すると逆風が吹いています。世界的に公共の場でのタバコは禁止の方向に向かっています。国内では2010年10月1日に1本当たり3.5円引き上げと「たばこ税」が導入されて、公共施設でのタバコは禁止の方向へ向かっています。ということは、日本たばこ産業(2914)も当然業績的打撃を受けて株価は下落するかのように思えます。

ところが、後ほど解説するように、JT株式の1株あたり利益というものは順調に増加しており、それが反映されてリーマンショック後の安値からは順調に株価が上昇してきています。(但し私はタバコ自体には賛成しかねるので投資しませんが・・・)


このように、表面的な判断だけでは株価はどう上下するかはわからないのが株式投資の難しさです。しかし、しっかり企業の業績という裏付けがあると、いずれその業績を反映して株価は上下します。


続いて、本編に入ってきます。これから四季報を見る具体的チェックポイントを書いてみたいと思います。
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会社四季報項目別チェックポイント

四季報の見方
まずは会社四季報の読み方です。画像のように分かれています。

 
四季報のチェックポイント もくじ
業績欄
株主欄
役員欄
財務欄
配当欄
社名・事業内容
本社住所欄
  • 従業員数
  • 業種別時価総額順位
社名欄 作成中
記事欄 作成中
資本異動・株価欄 作成中
経営者 作成中


『業績欄』について


業績こそ変革が正しい事の証明
まず、何といっても会社が成長するために欠かせないのは『業績』です。

企業は日夜、様々な製品やサービスを開発ししのぎを削り他社との競争をしてサバイバルをしています。しかし、「良いサービスやよい製品を出していればかならず顧客は評価してくれる」というわけでもなく、企業は一生懸命やっていても破綻してしまうこともあります。

企業はどんなに良い製品をつくっても、どんなに良いサービスをしても、どんなに売上をあげていても、過当競争に巻き込まれたり、コモディティ化した製品を作り続けたり、多大なコストが重くのしかかったりして最終的な利益を稼いでなければ赤字になります。そして毎年赤字続きではいつかは企業は破綻してしまいます。

日本の企業の場合、顧客の利便性や使いやすさやデザインなどを度外視して、技術者がとにかく技術を積み込んだ製品を作りづつけてきました。その結果どうなったかというと、日本国内でしか通用しない製品が出来上がってしまったのです。世界からは「ガラパゴス」だと揶揄されるような状況に陥りました。リーマン・ショック後はそれが直接的に影響し、日本の名だたる製造業が数千億〜兆円単位の赤字を計上しました。また最先端技術でさえも赤字に陥り破綻するようなことも起こります。

例えば、米国で最も有名な企業(GM)(「GMにとって良いことはアメリカにとっても良いことだ」と米国では言われたそうです。)、親方日の丸(JAL)世界最先端の技術(エルピーダメモリ)これらの企業は全て破綻しました。業績がなければ企業はいずれ破綻します。

また破綻しないまでも、2007年ころ「世界の亀山モデル」と大々的に宣伝して好調だったシャープも、リーマン・ショック後は経営危機状態に陥りました。「世界のソニー」と言われた圧倒的なブランド力のあったソニーも、製品がコモディティ化して毎年のように数千億の赤字を計上し、2013〜14年現在も苦境に立たされています。

つまり、「有名な企業だから、親方日の丸だから、世界最先端技術を持っているから」という理由で投資してはいけないということです。これは投資において、いくら強調しても、強調しすぎることはない、重要な事実です。投資初学者が陥りやすいのが、「何だかよくわからないけれど、有名な企業だから買ってみよう」と感覚で株式を買って失敗するパターンです。

カンブリア宮殿と言うテレビ番組で日本マクドナルドCEO原田泳幸氏は『業績こそ変革が正しい事の証明』とおっしゃっていました。一流経営者がそう認識しているということは、当然企業に出資している投資家は「業績」をシビアに見ているということです。特に海外投資家はシビアに見ています。(ただしその後マクドナルドはおかしなサービスを色々始めて業績は低迷し、原田氏は辞任しましたが・・・)


業績の用語とその意味
用語の説明は社会人の皆様は常識として知っていらっしゃると思いますので以下は読み飛ばして結構です。一応まず基礎知識として業績欄の説明をしたいと思います。
売上高』は1年間の売上高です。
営業利益』は売上から売上原価、販売・管理費等を差し引いた利益です。本業の儲けを表し、会社の収益力を見る上での基本指標と言われます。
経常利益』は営業利益に営業外損益を加減した利益です。
純利益(当期利益)』は経常利益に特別損益を加減し、法人税、住民税、法人事業税を差し引いたものです。
1株あたり利益』は1株あたりの税引き後の利益です。


売上高 1年間の売上高
(−)売上原価、販売・管理費等
営業利益
(+)営業外収益
(−)営業外費用
経常利益
(+)特別利益
(−)特別損失
(−)法人税、住民税、法人事業税
純利益(当期利益)
発行済株式数で割る
1株あたり利益
※四季報に記載されているものの説明なので損益計算書より簡略化しています


『1株あたり利益』に注目
会社四季報に載っている企業は『営利企業』なので、最終的には利益を出すことを目的に活動しています。企業は売上を上げ、そこから費用を差し引き、最終的な利益を出します。上記の図をおおまかに言うと

売上−費用=利益


となります。経営者は売上を上げることも頑張りますし、費用を削減することも頑張ります。そして、会社に出資している投資家(株主)はどこを見ているかというとこの『利益』の部分です。

そして、最終的な『利益』を発行済株式数で割ると『1株あたり利益』が算出されます。短期的〜中期的な株価推移に非常に影響を与えるのは『1株あたり利益』の増減のようです。株価が上昇し続けている銘柄に共通するのは順調にこの『1株あたり利益』が順調に上昇しているか否かです。株価が底値から何倍何十倍と上昇している銘柄(仕手株を除く)はほぼ例外なく『1株あたり利益』が順調に上昇しています。

初学者が注意しなければならないのは『売上高』が増加しているからといって『利益』が出ているかどうかはまた別ということです。毎年『売上高』が上昇していても、コスト(費用)がかさんで最終的な利益が少なければ株価は大抵下落します。

かつて日本企業は「売上高至上主義」といって売上高を伸ばしていけばそれでいいと言う企業がたくさんあったと聞きます。経営者としては『売上高』が他社との優位性を表すものだったのかもしれませんが、投資家側は投資対象として売上高が上がっても最終的な『利益』を稼いでいないのでは評価をしないようです。現在の日本市場の70%は海外投資家がシェアを占めていると言われるので、よりシビアに反応します。

実際に、いくら『売上高』が上がっていても最終的な『純利益』が毎年減少している企業の株価は殆どの場合下落しています。投資家は評価をしていないということです。

ただ、『純利益』が上昇していても新規に株式を発行して発行済株式総数が増えている場合は『1株あたり利益』が希薄化している場合もあり、そういう場合も株価は上がりません。

要するに、『1株あたり利益』が順調に上昇(成長)しているか否か短期的〜中期的な株価の推移に非常に影響力を与えていることがわかります。

■チェックポイント

・ 売上高の順調な推移も重要だが、「純利益」が順調に上昇しているかどうか
・ 海外投資家は「売上高至上主義」では見ていない
・ 短期的〜中期的な株価推移に非常に影響を与えるのは「1株あたり利益」の推移
・ 「1株あたり利益」も順調に推移しているか
・ 「1株あたり利益」は新株発行で希薄化する、希薄化は株価下落要因
  (ただし、傾いている企業が第三者割当などで増資した場合には株価は上がることもある)
・ 特別利益などで「1株あたり利益」が嵩上げされているときは注意
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『一株当たりの内在価値』に注目

世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏は自身がCEOをつとめるバークシャー・ハサウェイでは『一株当たりの内在価値を最大限に高める事を目的』にしています。つまり、ウォーレン・バフェットのような賢明なる投資家は『一株当たりの内在価値』をどう高められる企業なのかということに注目しているということです。

バフェットが「企業の内在価値を正確にはじき出す公式はありません。企業について知ることがまず大事です」というように、この「内在価値」というのは簡単に数式で表わされるようなものではありません。数式で表わされるなら、数学者や経済学者は投資で大成功できていることでしょう。

「企業の内在価値」というのは、企業業績もさることながら、企業の長年にわたって培われたブランド価値や企業文化経営者の優秀さの度合いや、従業員のモチベーションの高さ、そのような数字には現れない部分が非常に重要になります。数字や論理ではなく、肌感覚や動物的間に近いかもしれません。なので、投資家の能力が非常に試される部分ではあります。

しかしながら、そう言い切ってしまうと、初学者は手のつけようがなく、諦めの境地にいたりそうですが、簡単に内在化地を高める方法も存在します。それの一つが企業の自社株買いです。企業が自社株買い等を行い(大抵自社株買い発表で株価は上昇する)消却し発行済株式数が減れば『一株当たりの内在価値』は上昇します。

初学者にとって少し難しいのは、ある年何らかの原因で『1株あたり利益』が減少しても、その後企業が自社株買い等を行い(大抵自社株買い発表で株価は上昇する)消却し発行済株式数が減れば『一株当たりの内在価値』は上昇するというところです。そういう場合は株価は下落しないこともあります。

また、1株当り利益が増加しても、その後企業が増資を行い発行済株式数が増えると1株あたりの内在価値は減少します。そういうい場合は株価が下落することもあるのです。

初学者には難しいかもしれませんが、『1株あたり利益』と『一株当たりの内在価値』には注目すべきということです。パターン化するとこうなります。


■自社株買いや増資の影響
売上 1株あたり利益 1株あたり内在価値 株価推移
売上減 1株利益減 1株内在価値減 株価大幅下落
売上増 1株利益減 1株内在価値減 株価大幅下落
売上減 1株利益増 1株内在価値減
(増資で希薄化)
株価下落
売上減 1株利益減 1株内在価値増
(自社株買い)
株価下落OR上昇
売上増 1株利益増 1株内在価値減
(増資で希薄化)
株価下落
売上増 1株利益減 1株内在価値増
(自社株買い)
株価下落OR上昇
売上減 1株利益増 1株内在価値増 株価上昇
売上増 1株利益増 1株内在価値増 株価上昇
必ずこうなるわけではありませんが、この様なパターンがあるように思います。最初はそう深くは考えなくても良いです。
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■チェックポイント
・ バフェット率いるバークシャーは『一株当たりの内在価値を最大限に高める事を目的』にしている
・ バフェット「企業の内在価値を正確にはじき出す公式はありません。企業について知ることがまず大事です」
・ 企業の内在価値は企業の長年にわたって培われたブランド価値や企業文化経営者の優秀さの度合いが複雑に絡み合ったもの
・ 企業が自社株買い等を行い消却し発行済株式数が減れば内在価値は上昇する
・ 企業が増資を行うと内在価値は下落する


具体例
では、具体例を見てみましょう。例えば、日本の巨大企業NTTドコモ(9437)の場合は、ソフトバンクやKDDIにシェアを奪われつつあり、売上高、最終利益ともに横這いで成長企業のようには増えていません。なので、投資家も新規に買うというよりはずっと売り越しのような感じで遂にこの前2012年5月31日には新安値をつけてしまいました。(14年10月追記:ただし、2012年末の政権交代後からのアベノミクス効果で株価はやや戻しました)


一方、マクドナルド(2702)を見てみると、『連結売上高』は年々減少(直営店からFC店化しているので)していても『1株あたり利益』は年々上昇(10年1株益は一時下落)しています。そして株価もリーマンショック後からは上昇しています。売上高が減っても1株利益が年々上昇しているということは、より効率的・筋肉質な企業へと変わっているということです。従って株価も堅調に上昇しています。


理想的なのは、『売上高』も毎年上昇しながら『営業利益』・『経常利益』・『純利益』・『1株当たり純利益』も堅調に毎年上昇している企業です。しかも自社株買い等を行い発行済株式数が減少し1株あたりの内在価値が上昇していれば株価上昇はほぼ間違いないでしょう。

さらには、その企業が強力なブランド力を持ち、非常に誠実で優秀な経営陣が経営していて、しかも株価が過小評価されているのであれば、投資価値は非常に高いでしょう。
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特別利益による1株利益のかさ上げに注意
また、注意しなければならないのは、特別利益が入ってきてこの『1株あたり利益』がかさ上げされて上昇し、業績が一気に回復したように見えてしまうこともあるということです。この様なときに株価が上昇しても長くは続きません。

四季報には特別利益によるかさ上げなのかどうなのかは書かれてないので、企業のHPに行き、IR(投資家向け情報)にて、決算短信などを読み込んで特別利益なのかどうなのか見る必要があります。

投資するにあたってチャンスとなるのは『1株あたり利益』が堅調に上昇しているにもかかわらず、あまり有名でないとか証券会社のレーティング対象になってないとかで割安なまま市場から放置されている銘柄です。堅調に業績を伸ばしていればいつかは正当に評価されるようになります。
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『株主欄』+『役員欄』について 


『社長』または『会長』が『大株主(筆頭株主)』に注目
続いて会社四季報『株主欄』+『役員欄』の注目点です。

『社長』または『会長』が『大株主(筆頭株主)』と言う企業に注目しましょう。基本的に、会社を経営する人が大株主であるということは、業績や成長性を重視していますし、株価を上げるために施策を次々出していく傾向があります。

逆に雇われ社長で殆ど株式を持ってないという場合は、役員報酬を貰うことに一所懸命でも株価には無頓着ということもありえます。こういう企業は海外投資家が見向きもしないので、株価は万年低水準ということにもなりかねません。もちろん雇われ社長がダメというわけではないのであしからず。日産のゴーン社長のような方もいます。

例えば、ユニクロを傘下に持つファーストリテイリング柳井社長などのように、『社長=大株主』だと株価を意識する経営者が多いです。社長が株主を単なるギャンブラーと捉えてない(金融上のパートナーと考えている)と言う事です。そう言う企業は株価を堅実に上昇させるための施策を次々出してきます。

ファーストリテイリングの柳井社長ソフトバンクの孫正義社長日産のゴーン社長などは株価をよく見ています。株価を自分の経営能力への評価と捉えたり、株価を会社への将来性と捉える社長も居るようです。

以前テレビでやっていたのですが、ゴーン社長などは出社するとまず1時間くらい世界の株価や日本の株価や自社の株価などを見るほどに熱心だったりします。株価を気にする経営者がいるというのは投資家としても心強いのかもしれません。
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「経営者が自分自身で株式を買い増ししている」ような企業は有望
続いて、経営者が株価に関心があり、さらに「経営者が自分自身で株式を買い増ししている」ような企業は有望です。経営者が今後の成長に自信がある証拠です。

経営者が買い増ししているかどうかは大量保有報告書などを参考にするとよいでしょう。

EDINET http://info.edinet-fsa.go.jp/
大量保有報告書 データベース http://g2s.biz/tool/fiverule
株主プロ http://www.kabupro.jp/

等を参考に。過去の会社四季報と比べてみるのでもよいでしょう。大株主の経営者(オーナー社長)が買増していれば保有比率のパーセンテージが上昇しているはずです。
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経営者が高値で株式を売り抜けているような企業は要注意
上記とは逆に、大株主である経営者が高値で株式を大量に売り抜けているような企業は要注意です。これ以上成長はないと考えているのかもしれませんし、悪材料を知っていて株価が下がることを見込んで売り抜けているかもしれないからです。足元で何か良くない事が起こっている兆候かもしれません。要注意です。

過去の会社四季報と最新版を見比べてみましょう。大株主の経営者(オーナー社長)が自社株を売り抜けているかどうかはパーセンテージを見ればわかります。上場後に経営者が高値で大量に売り抜けているような場合は殆どの場合上場がゴールになっています。つまり、上場後に株式を買った株主は大損する可能性があります。

具体例で言うと、セラーテムテクノロジー(4330)などは上場時に経営者が株式を売り抜けていたそうです。当時は機関投資家が期待する会社のトップにセラーテムテクノロジーが上がっていたそうですが、その後架空の増資の疑いなどで経営者が逮捕されたり問題が起こり、最終的には上場廃止が決定しました。
■セラーテムテクノロジー(4330)



ただし、バブルの時に常軌を逸した株価になり経営者が少しばかり自社株式を売るのは、ここで問題としている事とはまた別な話です。
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役員の移動に注意
過去の四季報と見比べて、役員が頻繁に移動している企業は注意しましょう。バフェット曰く、企業の代表取締役はなかなか変えるのが難しいので、代表取締役がダメなのに辞職しない場合は社外取締役が辞任することで代表取締役社長へNOを突きつけることがあるそうです。ということで、役員がコロコロ変わっているということは問題がある企業の可能性があります。

また、オーナー社長(代表取締役社長が大株主)が強権を握っていて、ついていけない役員がコロコロ変わっているのかもしれませんし、オーナー社長が気に入らない役員を次々首にしているのかもしれません。何れにしても頻繁に役員が変わっている企業は要注意です。


中国政府系ファンドに注目
また、『株主欄』で、ここ数年で注目されているのが『SSBTオムニバス』『OD05オムニバス』『SSBT・OD05オムニバスアカウントトリーティ』と言う名前です。中国政府系ファンドと推測されているようですが、中国が成長性あるとみて投資しているということです。

潤沢な資金力を持つ中国政府系ファンドですから、頭脳集団が検討に検討を重ねて日本の優良企業に投資をしているということの現れでもあります。また、欧米ファンド系のように短期売買で利ざやを稼ぐというような主体ではないので中長期でその企業を見ているということの現れでもあります。

日本のブランド力のある大企業に投資している傾向があります。安定した成長を期待するのであればこういう企業を買うのも良いかもしれません。

過去の四季報はこういう時も役立ち(なので毎回買って保存しておくと良)、中国政府系ファンドが投資割合を増しているのかどうかをチェックしてみましょう。投資割合を増していたとしたら、その日本企業を有望と見て資金を追加してきているということです。


投資ファンドには注意
続いて『株主欄』で注意すべきは、上場(IPO)したての企業の場合、ベンチャーキャピタルのような『投資ファンド』の名前が上がっていると彼らは上場後株式を売却して利益を確定してくる恐れ(=株価の下落)があります。

上場(IPO)したばかりのときは彼らはロックアップ条項といって売却制限がかかっているのですが、一定期間の経過や株価の大幅上昇によってこの規制が解除されると彼らは売却を始めます。IPO銘柄を買うのであれば『上場目論見書』は読んだほうが良いでしょう。

上場して業績は好調なはずが、大量の株式を保有するベンチャーキャピタルが売却することにより上場来安値を数ヶ月以上続けることがあります。なので、すぐに飛びつくのではなく、まず四季報の『株主欄』もしくは『上場目論見書』で誰が大株主なのかチェックする必要があります。

私は上場した企業が優良企業の場合でベンチャーキャピタルのような主体が大株主になっている場合は、彼らが売却を開始し、株価が大きく下落し、しばらく株価が低迷し、売り切ったところの大底あたりで買うことにしています。

また、名前は出せませんが、私があまり尊敬できない人が運営している某ベンチャーキャピタルが上場目論見書に乗っているような企業は完全にスルーすることにしています。大体そこのベンチャーキャピタルが投資している企業はだめになります。

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『株主欄』+『持ち株比率』について


外国人持ち株比率

『株主欄』のなかに『持ち株比率』があります。四季報の『株主欄』には

『外国』 外国国籍の個人や企業の発行済株式総数にしめる比率
『投信』 投資信託に組み入れられている発行済株式総数にしめる比率
『浮動株』 100株〜5000株未満の株主が所有している発行済株式総数にしめる比率
『特定株』 大株主10位+役員持ち株・自己株式の発行済株式総数にしめる比率

と言う4種類が書いてあります。このなかで「外国」の比率が高い銘柄は、株価全体が軟調なときは注意が必要です。

というのは、『外国人持ち株比率』がここに現れているわけですが、2012年現在日本株の70%は海外勢がシェアを握っているので、世界の株式市場の市況が悪化したときはこの割合が高い銘柄は売られる傾向があるのです。もちろん業績が絶好調な銘柄ならあまり売られませんが、少しでも業績が悪かったりすると叩き売り状態になり非常に売り込まれます(バフェット流投資ではチャンスが到来することになります)。

その理由は、世界の株価全体の市況が悪化すると、海外勢はリスク資産(株式等)を減らすので、資産圧縮の際に日本株式は他国の市場に比べて売られる傾向にあり、その影響で外国人持ち株比率が高い銘柄は売られやすくなります。市況が悪化すると株価が10%〜30%下落することもよくあります。

ただし、業績が絶好調な銘柄はそれほど売られないので、市況が悪化してきたからといって急いで売る必要はありません、むしろ買いのチャンスとなります。(私の場合は中・長期投資なので市況の悪化で売ったりはしません)多くの初学者というのは、こういう時に非常に心理的に不安になり、本来バフェット流投資では買うべきところで売却してしまいます。

逆に市況が好調な時は海外勢が一気に買い越しになるので、外国人持ち株比率の高い銘柄は勢いよく上昇します。要するに戻りも早いということです。良くも悪くも、『外国』の比率が高い銘柄は市況の好不調で乱高下しやすい傾向にあります。

したがって、増収増益で"業績が好調"なのに市況の悪化で海外勢がリスク資産を圧縮する過程で売り込まれている『外国人持ち株比率』が高い銘柄というのはチャンスであることが多いです。

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『株主欄』の『浮動株』・『時価総額』・『発行済株式数』について


(※業績が良いことが前提) 『時価総額』・『発行済株式数』・『株主欄の浮動株』

『時価総額』・『発行済株式数』・『株主欄の浮動株』という、個人投資家にとって非常にチャンスの多い銘柄選択法です。

業績がよく成長銘柄であることを前提として、『時価総額(50億以下が多い)』が低く、『発行済株式数(数万〜数百万株程度)』が少なく、『浮動株(100株〜5000株未満の株主が所有している株式数)』の割合が低い銘柄には注目です。(前述した『社長=大株主』などの条件も当然あればなおよしです)

この様な株式を買えるのはある意味個人投資家の特権です。というのは、ファンドや機関投資家は他人の資金を預かって運用しているので、あまりに時価総額が低かったり流動性が低い株式はリスクが高く、制限で買えない傾向があるからです。

(蛇足ですが、最近(2011年末〜2012年6月現在)短期間に数倍から数十倍になった話題のミハイルジョウダン銘柄(ピーエスシー(3649)等)「は『発行済株式数』が少なく『浮動株』の割合が低い銘柄が狙われる傾向があるようです。下の具体例に掲載しています)

『時価総額(50億以下が多い)』が少なく『発行済株式数(数万〜数百万程度)』が少なく『浮動株』の割合が低い銘柄は、個人投資家でも大株主になれる可能性があり、多数の個人投資家の資金があつまると、流通する株式が減少して株価が上昇する傾向があるようです。また、個人株主が長期保有を心がけると、流通する株式が少ないので業績が好調であるとある意味希少価値の高い株式ということになり、価格が高騰する可能性があります。

こういう株式を買って、それに業績がついてきて株価上昇し、含み益が出たような場合は、簡単に売却して利益確定をしてしまうのではなく、その企業を応援するつもりで長期投資を心がけるとかなりのパフォーマンスが出る事が予想されます。トレードをしたいのなら、現物を担保にして信用取引をすればいいのであって、ポートフォリオの中で大部分を占めるようになった貴重な株式は安易に売却しないようにしましょう。

ウォーレン・バフェット『ある銘柄(選手)がポートフォリオの中で大部分を占めるまでに成長したので、その最も成功した投資銘柄をこの「投資家」が売却するとすれば、それはまるでチームにとって重要な存在になったので、マイケル・ジョーダンをシカゴ・ブルズがトレードに出すようなもの

※いわゆる仕手株の場合は、複数人で発行済み株式を買い占めるという方法で流通する株式を減らし、その後掲示板や新聞や雑誌などで買い煽りを行い、値段を吊り上げ、本人たちは売り抜けるというものです。しかし、業績という裏付けがないのにいくら株価が上昇しても長くは続きません。仕手株と私がいう投資法とは全く異なるので注意しましょう。

■チェックポイント
・ 時価総額(50億以下が多い)』が低い
・ 『発行済株式数(数万〜数百万株程度)』が少ない
・ 『浮動株(100株〜5000株未満の株主が所有している株式数)』の割合が低い
・ 長期投資を心がける
・ 仕手株とは全く異なる 


具体例
では具体例を見てみましょう。
■UBIC(2158)
2010年末から2012年初旬に株価が100倍近くになったUBIC(2158)と言う会社は2010年11月4日大底の株価は404円(分割修正株価は101円)でした。この時の時価総額は2億3500万円ほどでした。発行済株式総数は58万1000株浮動株は18.5%(10万7500株)ほどでした。さらに、2010年第4集の四季報では予想ROEは68.0%を示していました(ROEについては後ほど説明します)。そしてこの会社は、法的紛争や訴訟の際、証拠保全など電子データ収集分析を行うコンピュータ解析事業という他社にはない所謂オンリーワン技術を持った企業でした。
2010年当時
時価総額 2億3500万円
発行済株式総数 58万1000株
浮動株 18.5%(10万7500株)
予想ROE 68.0%
オンリーワン技術 法的紛争や訴訟の際、証拠保全など電子データ収集分析を行うコンピュータ解析事業
その後、2010年に「大相撲野球賭博問題」が起こり、デジタル情報機器に残された情報データを調査・解析する「デジタルフォレンジック」技術などに注目が集まり、法的係争・訴訟の際証拠保全など電子データ収集、解析を行うコンピュータ解析事業を主事業とするUBICの株価は2年余りで90倍近くになりました。

現在(2012年6月末)は業績がしっかりついてきて、PERも14倍程度と普通の値となっています。したがって、UBIC(2158)の場合は隠れた問題でもなければもう(修正株価で)100円台まで戻ることは無いでしょう。

しかも、時価総額の低かった成長銘柄が成長しだして、時価総額が上昇し流動性が増してくると、証券会社のレーティング対象になったりしだし、機関投資家やファンド等の中に組み入れられたりするので、こうなると安定した株式になってきます。

(2014年10月現在、何回かにわたり株式分割をしたのでチャートの数字は異なっています)


もう一例あげますは、ミハイル・ジョウダン氏が初期に注目していたピーエスシー(3649)
■ピーエスシー(3649)
医療用データ管理システムを様々な大学病院を中心に展開し、文章管理などの関連システムも展開。上場当時、東日本大震災後で、市場は絶不調でIPO公開を見送る企業が多かった中、ピーエスシーは上場。上場後ずるずると株価は下落し、23%ほど下落。PERは8倍ほどを推移していたようで、そのあたりでミハイル・ジョウダン氏が目をつけ買い集めていたようです。浮動株が1.6%と極めて低かったので、買い占めた後に掲示板等で散々な買い煽りを展開しその後株価は上昇。掲示板等での買い煽りの是非はともかく、業績は堅調なようで、株式分割考慮をした安値から約30倍ほどに株価は上昇(2014年10月現在)しています。
2011年当時
時価総額 18億4000万円
発行済株式総数 207万1000株
浮動株 1.6%(3万3000株)
ROE/予想ROE 50.3%/28.8%
ROA/予想ROA 46.2%/19.7%
ビジネス内容 医療用データ管理システムを様々な大学病院を中心に展開


まとめ
このように、はじめは短期的に高騰して割高に思えた株式も、業績がそれに追いついてくると、1株あたりの利益も上昇してくるので、PER(株価収益率)も減少していきます。そうなると二度と低位には戻らなかったりするので、業績の上昇とともに大幅な含み益の出たこの様な銘柄は長期ホールドを心がけるとよいでしょう。

有名なファンドマネージャーのピーター・リンチの言うように「花を引き抜き、雑草に水をやる」ようなことはしてはいけません。つまり、利益が乗ったものをすぐに売却して利益確定し、損失が膨らんだものをそのまま放置してはいけないということです。

また、ウォーレン・バフェットの言うように卓越した経済状態を長期に誇る子会社を有する親会社はその子会社を手放すことがないように、投資においても曰く「わざわざ金の卵を生むニワトリを手放すようなことはしてはいけない」のです。それが投資で成功する原則です。

まとめますと
■チェックポイント
・ 成長性がある、割安、業績が向上している
・ 時価総額(50億以下が多い)』が低い
・ 『発行済株式数(数万〜数百万株程度)』が少ない
・ 『浮動株(100株〜5000株未満の株主が所有している株式数)』の割合が低い
・ 社長や会長が大株主である
・ 長期投資を心がける
・ 仕手株とは全く異なる 
覚えておいて損はないでしょう。

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『財務欄』+『有利子負債』


有利子負債
続いて会社四季報の『財務欄』の注目点です。まず『有利子負債』に注目しましょう。
『有利子負債』 短期借入金、長期借入金、1年以内返済長期借入金、社債および1年内償還社債の合計などで、要するに利子をつけて返済しなければならない負債
です。

投資初学者のなかでも心配性の人は、資金を失うことを極端に怖がるばかり、無借金経営の会社を選んでしまったりします。私も始めの頃はそうでした(笑)

しかし、有利子負債が多いから即悪いというわけでもありません。コンサルタントの小宮一慶氏によると「企業は負債を返せず資金繰りに行き詰って倒産する」ので、お金を用意できるのかどうかが重要です。

例えば、ソフトバンクのようにたとえ2兆4949億円(08年9月末)の有利子負債を負ってもそれを成長の起爆剤として使っている場合は、有利子負債の意味合いも全く異なります。

2008年リーマンショックの時は多額の有利子負債を抱えたソフトバンクは危ないという噂が週刊誌などで書かれ株価は800円近くまで大暴落しました。

しかし、不況だから車を買い控えるということはあっても、不況だからといって人々は主要なコミュニケーションツールやビジネスに必須である携帯電話を使うのをやめることはありません。ソフトバンクは傘下に通信会社を持っているので、ウォーレン・バフェット率いるバークシャーの傘下の保険会社のように潤沢なキャッシュが毎月のように入ってくる事業なので実際は資金繰りに行き詰まることはなかったわけです。何も知らないマスコミが根拠のない売り煽りをしたのでした。こういう市場が総悲観視状態のときに追随して売却してしまうというのは失敗する投資のパターンです。心配性の人は本来バリュー投資家が買うべきところで売ってしまったわけです。

また、2012年10月には米スプリントを買収することを発表し更に有利子負債は増えました。2014年段階で9兆円ほどの有利子負債があるようです。それでも潤沢なキャッシュが確実に入ってきて、有利子負債を返していける目処があり、しかも成長性がある企業というのは株価は上昇する傾向があるのです。

■ソフトバンク(9984)
一方、多大な有利子負債を抱えて資金繰りに行き詰まりそうな会社はアウトです。この様に、要は借金は使いようです。

では、危ない会社はどうやって判断すれば良いのでしょうか。

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危ない会社を見分けるには
コンサルタントの小宮一慶氏の「企業は負債を返せず資金繰りに行き詰って倒産する」の通り、エルピーダメモリ(世界最先端技術)JAL(親方日の丸)の様に資金繰りに行き詰って破綻してしまった企業もあります。では、急激な破綻で被害をうけるのを避けるにはどうすればよいでしょうか。

それは、四季報には現れてない数字を見る必要があります。企業のHPの『IR(Investor Relations)』に飛びましょう。そこで最新の『決算短信』『有価証券報告書』を見ましょう。その中に『貸借対照表』というものが書いてあります。

短期間に資金繰りに行き詰まりそうか否かは『貸借対照表』の『流動資産(1年以内に現金化できる資産)』『流動負債(1年以内に支払の期限が到来する債務)』を見ます。『流動負債>流動資産』だと少し注意が必要です。エルピーダメモリの場合は見ると明らかな兆候がありました。

『前連結会計年度』『当期連結会計年度』を見ます。前期より『流動資産』が増えて『流動負債』が減っていて、かつ、『流動資産>流動負債』なら良いです。もしこれが前期より『流動資産』が減り『流動負債』が増え『流動資産<流動負債』だとちょっと危ないよと言う警告になっています。
流動資産↑&流動負債↓  かつ  流動資産>流動負債
流動資産↓&流動負債↑  かつ  流動資産<流動負債 ×
もちろん『流動資産<流動負債』でも、即座に危ないとか、投資対象にならないということではありません。前期に比べて当期がさらに悪化しているような場合は要チェックです。

例えば、破綻したJALの決算短信を見ても一目瞭然でわかります。明らかに前期より『流動資産』が減少し『流動負債』が増加していて、かつ、『流動資産<流動負債』となっています。JALは2009年末段階でそうなっていて、2010年に破綻しました。エルピーダも同様です。

こういう数字をよく見ていた人は、危ない橋を渡る事はなかったわけです。
JAL エルピーダメモリ
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流動比率
流動資産÷流動負債を『流動比率』と言います。これが200%位だと安心と言われますが、少なくとも100%を超えているかどうかを見るとよいでしょう。

 『流動比率(%)=流動資産÷流動負債x100』

危ない会社かどうかは、一律に判断できるものではないので、債務超過に陥っているのに国策や銀行が助けて資金繰りが何とかなり生き延びる場合もあります。東日本大震災後の電◯会社などが良い例でしょう。非常に政治的な思惑で潰すに潰せない企業の場合はこうやって生き延びることもあります。JALも親方日の丸だから潰れることはないだろうとも言われていましたが、JALくらいの規模だと破綻しました。電◯会社とは違う対応でした。

何れにしても『投機家』ではなく『投資家』を目指すのであれば、この『流動資産合計』『流動負債合計』は必ず投資する前にはチェックしたほうが良いでしょう。JALのような元々国営で親方日の丸企業でも労組側が強くてコスト削減ができず債務が積み上がっていくようだと破綻することもあります。エルピーダのように「世界最先端の技術」があっても毎年赤字だと破綻もあるのです。

投資するにあたって最もよくないのは、有名な企業だから(GM)、親方日の丸だから(JAL)、世界最先端の技術を持っているから(エルピーダ)、というような理由のみで株式を買ってしまう事で、そういうのはちょっと危ないのです。『投資(×投機)』をするなら要チェックです。

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『財務欄』+『ROE・ROA』


ROE
続いて会社四季報の『財務欄』の『ROE・ROA』です。

日本市場の70%のシェアを握ると言われる『海外投資家』が好む傾向があるのは『ROE(株主資本利益率)』 が高い会社です。ROEは「株主資本」を使ってどのくらい効率良く利益を上げている会社かということがわかる指標です。海外投資家は株主資本を使って効率良く収益を上げる企業を好む傾向があるのです。

 『ROE=当期純利益/株主資本』

ROEはこの様に表されます。海外投資家はこのROEが『15%以上』を好む傾向があるようです。

(蛇足ですが、ミハイルジョウダン氏もこのROE・ROAが高いものを選ぶ傾向があるようです。)

ただし、『有利子負債』が多いと分母の部分の株主資本が減って、ROEが嵩上げされるので注意は必要です。

例えば、ソフトバンクは有利子負債もかなり多いですがROE33.5%と極めて高いです。有利子負債のレバレッジを上手く効かせて収益を上げ、しかも借金を高速で返しつつあります。『海外投資家持ち株比率』は36.6%と高く、海外投資家からも人気があることがうかがわれます。


ROA
ROAは「総資本」をどのくらい効率的につかって利益を上げている会社かと言う指標です。こちらも高いほうが良いです。ROEが高いのにROAが低い場合は「有利子負債でレバレッジをかけているのかな・・・」とわかります。ソフトバンクは有利子負債が多いのでROAは6.4%とやや低めになっています。

 『ROA=当期純利益/総資産』

ROAはこの様に表されます。


見方
『ROE・ROA』は『現在値』『予想値』を見ましょう。予想値が更に高くなっていれば非常に良い傾向です。(蛇足ですが、ミハイルジョウダン銘柄は現在値の『ROE・ROA』が高く、しかも予想値も高い傾向があるようです。)

ただし、何十倍と成長する銘柄の初動ではこの『ROE・ROA』が低い場合があります。したがって、スクリーニング過程で「ROE=15%以下は却下」というようにしてしまうと、成長銘柄を見落とすことになってしまうので注意が必要です。私も何度見落としたことか・・・(笑)


具体例
例えば、2009年から3年で25倍ほどに株価上昇した遠藤照明(6932)と言う会社は2009年1集の四季報ではROEもROAもマイナスです。ところが2011年の原発事故後、節電要請が出てきたので商業施設用照明器具で国内首位級である遠藤照明は、業績がついてきて現在はROE24.4%・ROA6.6%と非常に高くなっています。



ROEは『15%以上』が海外投資家に好まれる傾向はありますが、スクリーニングで厳密に制限をしないことも必要でしょう。将来の成長性というのは現在の数値には現れて無いので難しいのです。(現在の数値に現れていたら簡単に誰でも成功できる事になってしまいます)

逆に狙い目としては『ROE・ROA』が高いのにまだ誰も気づいておらず、割安に放置されている銘柄を発掘することです。

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『財務欄』『株主持分比率』
続いて会社四季報の『財務欄』の『株主持分比率』です。

『株主持分比率』は高いほうが良いです。一般的に『50%以上』が好ましいとされています。ただ、これは非常に安定志向の場合であって、厳密に50%以上しか投資しないとしてしまうと割安成長銘柄を見落とすことになってしまうので注意が必要です。

金融機関などは『株主持分比率』が『5%以下』ということも結構あるので、業態によって違っているということを頭に入れておきましょう。私もまだ良くわからない頃厳密に『株主持分比率50%以上』でスクリーニングしたら成長割安銘柄がこぼれ落ちてしまったことがありました(笑)

リーマンショック後の2009年から業績上昇とともに何十倍に上昇している銘柄の中でも現時点で『株主持分比率』が50%以下という銘柄は結構あります。『株主持分比率』『50%以上』は一応のめやすくらいに頭にとどめておくくらいでよいでしょう。

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『財務欄』『利益剰余金』
続いて会社四季報の『財務欄』の『利益剰余金』について

『利益剰余金』は株主資本から資本金と資本剰余金、自己株式を引いた利益の蓄積のことです。少ないよりは多いほうが良いです。2008年〜2009年の大底から何十倍に上昇した銘柄の中で『利益剰余金』がマイナスという企業はなかなか見当たりません

『利益剰余金』がマイナスだと当然配当に回すお金もない状態です。中には利益剰余金がマイナスでも株価を保つために配当を出すところもありますが、通常利益剰余金がマイナスの企業は無配になります。今後の成長銘柄という点から言えば『利益剰余金』はプラスのほうが良いでしょう。

『利益剰余金』が『有利子負債』より少なくてもあまり気にすることはないでしょう。投資を始めたばかりの頃は損することを極端に怖がるばかり、『有利子負債』が限りリなくゼロで『利益剰余金』が潤沢な銘柄を選んでしまったりしますが、成長銘柄という点から言えば厳密すぎるのも良くありません。

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『配当』


配当欄
続いて会社四季報の『配当欄』について。

『配当』は出資してくれた株主に対して企業が利益の中から分配される現金です。2012年現在10.147%(所得税7.147%・住民税3%)の税金が取られます。2014年1月からは証券優遇税制がなくなり20.315%(所得税15.315%・住民税5%)の税金が取られます。

所得税が中途半端な値なのは、2013年1月から2037年12月までの25年間、基本所得税額に対して2.1%「復興特別所得税」が課税されることとなったからです。本当に復興に使われるのかは疑問ですが覚えておきましょう(笑)

通常、株式は配当利回りが1〜3%くらいなので、資金量が増えて1000万円も投資すると年間30万円くらいの配当が入ります。5000万も投資していれば150万円くらいは配当金が入ってくるので配当だけで生活できるかもしれませんね(笑)と、ジョークはさておき・・・

『配当』は毎年順調に増加している方が良いです。業績が好調だからこそ増配できます。毎年順調に増加しているかをチェックしましょう。

ただ、業績が悪化しても、株価を保つために資金を切り崩しながら配当を出しているところもあり、業績が良くて配当を出しているのかどうかはチェックすべきと思います。

配当というのは、企業が法人税を払ったとの利益から支払われ、配当には現在10%の税金がかかるので「二重課税」となっています。なので、配当が支払われるから良いとも限らず、配当を出すより成長のための投資に使われたり、あるいは自社株買いの方が株主価値を高められることもあります。

たまに掲示板等で配当を出さないことに経営者に文句を言っている人がいますが、これは考え物です。経営者は株主に配当を出すより、投資に資金を回したほうが株主価値を高められると考えているときは配当を低めに出したりすることもあるからです。

例えばソフトバンクの場合は今回(2012年3月期)配当が一気に8倍になりましたが、これまで成長のために投資に資金が使われていました。成長のための投資は、数年経つと業績に影響をあたえるので、中長期視点からすれば配当より投資に回してくれたほうが良い場合もあります


配当利回り
『配当利回り』にも注目しましょう。

 『配当利回り=配当金÷投資時点の株価』

で表されます。例えば、現在1500円の株式で配当金が年間50円の場合、配当利回りは50÷1500=約3.3%となります。

絶対ではありませんが、通常株式は配当利回りが1〜3%くらいです。医薬品等は4〜5%くらいあったりします。REIT(不動産投資信託)となると5〜10%くらいです。


配当利回りから売られすぎがわかる
通常株式は配当利回りが1〜3%くらいと言うことは、業績好調の優良銘柄で、配当金が変わらない事を前提として、2008年リーマンショックのように何らかの経済ショックが起きて、通常1〜3%の配当利回りだったものが、急に株価が落ちることで配当利回りが5%以上にもなれば、かなり売られすぎの水準であることがわかります。優良銘柄なのに配当利回りが10%にもなれば株価は異常値です。要するに、株価の底値が大体わかります。

例えば、配当金100円で株価3000円(利回り3.3%)だったものが、経済ショックで株価が1000円にも落ちれば、配当利回りは10%(100円÷1000円)になります。通常ありえない値です。これを、「500円になるのではないか・・・100円になるのではないか・・・」と思い込んで間違ってもそういう異常値で悲観的になって売却したりしないようにすることが大事です。(もちろん為替に影響を受けてしまうような企業の場合は減配や無配転落ということもありうるので、そういう場合は大きく株価は下落します)

通常の株式が配当利回りが5%以上になってくれば、そろそろ底も近いかな・・・と考えるのが正解で、為替にもあまり影響を受けない配当金も変わらない優良銘柄であるなら、株価下落というのは悲観視して売るのではなく、寧ろ買い増しのチャンスなのです。

したがって、視点を変えて、業績が好調で『ROE・ROA』も高く『売上高』『1株あたり利益』も順調に上昇し「割安」なのに『配当利回り』が6%以上あったりするとチャンスかも知れません。


YAHOOファイナンス http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=8&mk=1&tm=d&vl=a
みんなの株式 http://minkabu.jp/ranking/stock/21/1/1/1
株マップ http://jp.kabumap.com/servlets/kabumap/Action?SRC=stockRanking/base&ind=yield&exch=T1&d=d
ゴールデン・チャート社 http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/knsk/opt_knsk.cgi?knsk=26
ストックボード http://www.stockboard.jp/flash/ranking.html

等で配当ランキングを見て→そこから高配当銘柄を見つけ→四季報でチェック→会社HPのIRチェックというような方法も銘柄探しの方法としてありかもしれません。

現在銀行の預金金利は「0.020%」であり、100万円を1年預けても200円しか金利がつかないという時代です。業績好調・割安・成長銘柄で5%も配当利回りがあれば、100万円株式を買えば配当金は年5万円です。価格変動リスクはありますが銀行預金よりお得ではないでしょうか。

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『配当欄』+『一株当たり純資産(BPS)』
続いて『配当欄』の『一株当たり純資産(BPS)』について

『配当』のところの『BPS』というのは『BPS=純資産÷発行済株式総数』で計算され『一株当たり純資産』を表しています。1株あたり純資産とは期末純資産額を期末株式数で割った数値です。

 『1株当たり純資産(円)=期末純資産額÷期末株式数』

バリュー投資家はこの『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低い銘柄を探す傾向があります。ウォーレン・バフェット氏の師匠であるベンジャミン・グレアム氏の「バリュー投資法(特にしけもく投資法)」はこの『一株当たり純資産』より株価が低い銘柄を探します。

しけもくというのは吸い終えたタバコを意味します。しけもく投資法というのは、道端に落ちているほんの一吸いできるタバコはただ同然で手に入れられるというような意味で、リスクを極力減らしながら、非常に割安銘柄を買うというような意味です。ベンジャミン・グレアムは徹底してこの投資法で資産を築き、またウォーレン・バフェットも初期の投資はこの様な方法で投資を行なっていました。

もちろんバフェット+グレアム級になるとしっかりと企業の資産価値(土地とか在庫とか)を計算して企業価値を割り出し、1株あたりの企業価値より株価が低いものを買う事にはなりますが、初学者はそこまで到底出来ませんのでこの『BPS』に着目します。

バリュー投資家は基本的に『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低い銘柄を探すのです。いちいち四季報で『一株当たり純資産(BPS)』を見るのが面倒なときは『PBR(株価純資産倍率)』というものを見ます。公式でいうと

 『PBR(株価純資産倍率)(倍)=株価÷1株純資産(BPS)』

で表され、『PBR(株価純資産倍率)』が1倍を割っていれば割安と言われます。よく私の言う「解散価値割れ」とか「PBR1倍以下」というのは「株価」が「一株当たり純資産(BPS)」より低いということです。

『1株純資産(BPS)』より「株価」が(大幅に)低い場合ベンジャミン・グレアムは『安全域』と呼びます。

ただ、『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低い銘柄はすべてが良いかというとそうでもなく、衰退企業なので誰も買わず『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低いと言う場合もありえますし、海外投資家が好むROEが極端に低くて投資効率が悪いと放置されて『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低いと言う場合もありえます。

したがって、『一株当たり純資産(BPS)』より「株価」が低いから即座に買いとするのではなく、中身は吟味する必要があることは言うまでもありません。

具体例で見てみますと、2011年末〜話題になったミハイルジョウダン氏が推薦していたピーエスシー(3649)と言う銘柄は2012年3集の四季報では『一株当たり純資産(BPS)』が490円なのです。ところがあまりに多くの人が買い煽ってついには1万9200円をつけました。

と言うことは『PBR(株価純資産倍率)』=1万9200円÷『一株当たり純資産(BPS)490円』=40倍という非常に高い株価ということです。ベンジャミン・グレアム氏ならスルーでしょうね。1万9200円で買った人は今後どうなるのか・・・

ベンジャミン・グレアム「一株当たり純資産(BPS)に裏付けられた株式ポートフォリオを有する投資家は、収益と有形資産双方に対して何倍もの金額を支払った人よりも、株式相場の変動を気にせずに超然としていられる。」という名言もあるくらいです。

ところで、バリュー投資家は『PBR(株価純資産倍率)』1倍割ればかりを探すという傾向がありますが、これは少し考えたほうが良いです。私も始めの頃は1倍割れ銘柄ばかりを探していたのですが(確かにそれでもパフォーマンスは出ますが)成長銘柄を見落とす可能性があります。

上記の『ROE(株主資本利益率)』 が高い銘柄というのは海外投資家に好まれる傾向がありますが、この『ROE(株主資本利益率)』 が高い銘柄は『PBR(株価純資産倍率)』が1倍を超えてしまうことが多いのです。

 『ROE×PER=PBR』

と言う公式がありまして(PER=株価収益率 といって、1株あたり利益の何倍まで株式が買われているかという指標。)、ROEが30%くらいだとPERが5倍くらいでもPBRは1.5倍となってしまうのです。(0.3×5=1.5)

なので、もし証券会社のスクリーニング機能を使って、PBRは絶対に1倍以下しか買わないとしてしまうと、海外投資家の好むような、株主資本で効率良く利益を稼ぐ成長性の高い企業を見落としてしまう可能性が高くなってしまうわけです。

例えば、スクリーニング機能で「高ROE(出来れば15%以上)」×「低PBR(1倍以下なら尚宜し)」×「低PER(10倍以下なら尚宜し)」×「売上・1株利益順調に上昇」×「時価総額が比較的小さい(200億以下)」=???

などのように検索すると光る銘柄が見つかるかもしれません。こうやって検索して出てきたものを今度は、四季報に現れない「流動資産」「流動負債」などを企業HPに行き『有価証券報告書』や『決算短信』などを読み込んで『貸借対照表』で見たり、経営者はどういう人か見たりもっと深く調べていきます。

スクリーニング機能は完璧ではなく必ず漏れがありますので、色々数字を変えてみると良いかもしれません。ROEを20%以上にしてみたり等々。また、スクリーニング機能は完璧ではなく必ず漏れがありますので、かなり面倒ではありますが上の四季報をウォーレン・バフェットのようにペラペラとめくりながら調べていくのが確実だと思います。


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会社設立年数に比べて従業員の平均年齢が極端に若い 離職率が高い証拠かもしれません。良く言えば新陳代謝が良いのかもしれませんが、従業員にとって居心地が悪い会社ということかもしれません。離職率が高ければ、従業員の教育にゼロからまた費用がかかります。平均年齢が若いのはIT企業等に多かったりします。要注意。
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